群馬近郊山岳の花々
最終更新 2010年10月20日
 
群馬県内や周辺各地の中級山岳に咲く、主に亜高山帯の花々です。
 
イブキトラノオとノゾリキスゲ
イブキトラノオとノゾリキスゲ  野反湖

野反湖東岸に咲くイブキトラノオとノゾリキスゲの混成です。
特にイブキトラノオはこれでもかってくらいたくさん咲き、遠目には白と黄の絨毯のよう。
 
イワオトギリ
イワオトギリ  野反湖

足下で普通に咲いてるものの、見過ごしちゃうことの多い代表的花の一つ。
たくさんの雄しべを延ばした黄色の花は可愛く、けっこう目立ってはいるんですけどね。
 
高山性アザミ
高山性アザミ  北八つ

およそ2500mの高地に咲いていたアザミです。
稜線上の強風地帯でもあり、草丈10cm前後の矮性化した姿でした。
花も蕾もけっこう特徴ありますが、アザミは種類が多すぎて手持ち図鑑ではちょっと・・・・^^;
 
ノゾリキスゲ
ノゾリキスゲ(ニッコウキスゲ)  野反湖

野反湖周辺に咲くニッコウキスゲを特にノゾリキスゲと呼びます。
7月中旬〜下旬に盛期を迎えますが、ここぞという日にはなかなか出会えません。
この時ももすでに末期?
 
エゾリンドウ2
エゾリンドウ1
エゾリンドウ  黒斑山

大きく濃い花色が良く目立つお馴染みエゾリンドウ。
黒斑山を含む浅間外輪山登山道沿いに普通に見られる秋の代表花。
よく似たオヤマリンドウと比べるとこちらは花丈がずっと大きく、色も濃く鮮やか。
 
イワインチン
イワインチン  黒斑山

初秋の稜線上登路に咲いていたイワインチン。
あまり目立たない花だが、意外に足下で普通に咲いてたりします。
一見なんてことない花も、高山性キク属の花としては唯一だというけっこう貴重種!?
 
クロマメノキ
クロマメノキ  湯ノ丸高原

お馴染みブルーベリーの原種とも言われるクロマメノキ。
枝葉に隠れ花は目立たないが、初夏には釣り鐘型の可愛い花が咲く。
中級山岳から高山まで広く分布し、秋の紅葉はウラシマツツジらと共に鮮やかな赤を競い合う。
 
アサマフウロ
アサマフウロ  八島ヶ原湿原

その名の通り浅間山周辺に多い。
鮮やかな花色で大きな群落を作り密生するため、遠くからでもよく目立つ。
 
イチヨウランのアップ イチヨウラン

イチヨウラン  北八つ高原

木々が芽吹く頃の林下に咲くイチヨウラン。
花は典型的なランの形でシュンランなどとほぼ同じ。
名前のイチヨウは「一葉」のことで、右写真のように葉が1枚だけ出る。

 
コミヤマカタバミ

コミヤマカタバミ  北八つ高原

上のイチヨウランと同じく木々が芽吹く頃の林下に咲く。
白い花びらには赤い筋が入り、葉は開くときれいなハート形となるのが特徴。

 
キバナノヤマオダマキ

キバナノヤマオダマキ  湯ノ丸高原

ミヤマオダマキほど派手ではなく、その落ち着いた色合いが何とも優しい。
ミヤマオダマキの距が曲がるのに対し、こちらは曲がらず正直者?

 
コオニユリ

コオニユリ  湯ノ丸高原

オニユリの小型版でコオニユリ(そのまんまじゃ)。
それでも直径6〜7cm前後でこの色合いの花なら目立つことこの上ない。

 
コバノイチヤクソウ

コバノイチヤクソウ  湯ノ丸高原

ヤブっぽいような暗い灌木や樹林下に咲く地味な花。
雌しべがぐにゃりと曲がるところがポイント。
花は目立たず騒がず下を向き曲がる、そうとうひねくれ者と見た。
っが、なんと学名はピローラ・アルピーナとカワイイ。良い奴なんジャン。

 
ノギランの花 ノギラン

ノギラン  湯ノ丸高原

湯ノ丸高原ではごく普通に見られるが、遠目には地味で目立たない。
一つ一つの花はそれなりにきれいなんだけどねー・・・・世渡りの下手な花?

 
ヤナギラン

ヤナギラン  湯ノ丸高原

湯ノ丸高原と言えば初夏はレンゲツツジ、盛夏はこのヤナギランが主役となる。
毎年8月上旬を中心に前後を含めた3週間ほどはあちこちに咲き乱れる。

 
ハクサンフウロ?

ハクサンフウロ?  湯ノ丸高原

フウロソウの仲間はどれも似たり寄ったりに見えて特定が難しい。
一応ハクサンフウロにしておくけど、図鑑とちょっと違うんだよねー・・・・??

 
シラネアオイ

シラネアオイ  谷川岳

日本特産1科1属1種という日本を代表する高山植物の名花。
高山植物好きにとってはあこがれの花の一つだが、なかなか盛期にあたるのは難しい。
雪解けの後一気に生長し群生して咲き競う。

 
サンカヨウの花 サンカヨウ

サンカヨウ  谷川岳

こちらも雪解け後一気に生長するクチ。
右写真のような直径30〜40cmの大きな葉の上に、10個程度の清楚な白い花を咲かせる。
花びらは触れるとハラハラと落ち、なんともはかない。

 
オオバキスミレ

オオバキスミレ?  谷川岳

黄色いすみれは珍しい?
大きな葉に咲く黄色いすみれ、だからオオバキスミレ。そのまんまじゃ。

 
コマクサ

コマクサ  池の平・三方が峰山頂

高山植物の女王コマクサ。蕾が馬の顔に似るためこの名がある。
高山の砂礫地など、他の植物ではとても生きられそうもない所に単独で生える。
池の平のコマクサは人工的に植えられたもの?っぽいが、高い柵に守られ厳重に保護されている。
写真を撮るには高倍率ズームレンズがあると便利。

 
ミツバオウレン ミツバオウレン(アップ)

ミツバオウレン(右はアップ)  池の平外輪山

 足下のちょっと薄暗い樹林下などに咲く小さな花。
白い花びらのように見えるのは萼片で、ほんとの花びらは黄色い雌しべのような部分。
決して目立つ花ではないが、なかなかに美しい。

 
ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナ(アップ)

ゴゼンタチバナ(右は花のアップ)  池の平外輪山

亜高山帯〜高山帯の針葉樹林下などに咲く可愛い花。地下茎を延ばして群生することが多い。
花は写真のように葉が6枚となってから初めて咲く。
白く花びら状に見えるものは総苞で、ほんとの花は中央に小さく集まった部分(右写真)。

 
マイヅルソウ

マイヅルソウ  西上州/赤久縄山

名前は花ではなく、ツルが翼を広げたように見える葉の形からついたもの。
亜高山帯の針葉樹林下などに大群生する小さな小さな白い花。
赤久縄山では北斜面の登山道に一面の群落が見られる。

 
コケモモ

コケモモ(クランベリー)  湯ノ丸高原

秋、真っ赤な丸い実をつけるコケモモは、小さな釣り鐘状の花も愛らしい。
ジュースやワイン、ジャムなどとして食用としても超有名。

 
イワカガミ

イワカガミ  高峰林道

スイセンのような形で先端に細かく切れ込みの入った可愛い花。名前は青光りする光沢のある葉からついた。
亜高山帯の針葉樹林下や湿り気味の岩などに、苔と一緒になって咲くことが多い。
高峰から池の平、湯ノ丸高原にかけては6月頃ごく普通に見られる。

 
アカヤシオの蕾 アカヤシオ

アカヤシオ  西上州/烏帽子岳

ヤシオツツジ、ムラサキツツジ、イワツツジなど、いったいどれが正式名なの?。
写真は烏帽子岳山頂での一こま。
4月下旬〜5月上旬の西上州の山々は、遠目にもピンクに染まるのがわかる。

 
タテヤマリンドウ

タテヤマリンドウ  田代山

福島・栃木県境の田代山山頂湿原に咲くタテヤマリンドウ。湿原はずれの東斜面(湯西川コース)に多く咲く。
各地の主に中級山岳の湿原や草原で比較的普通に見られる。
背丈10〜15cm前後でリンドウとしては花も小さく可愛い。

 
マルバダケブキ

マルバダケブキ  八島ヶ原湿原

草原にニョキっと、非常に目立つ大きな花。
はずかしながらつい最近まで、フキの花にこういうものがあるとは知らなかった。
決して珍しくはないが、この仲間には他にもきれいな花がいっぱいあるようだ。

 
ノハラアザミ

ノハラアザミ  八島ヶ原湿原

目の前のアザミに蝶がとまり、思わずパチリ。
昆虫も獣も思い通りに動いてくれないから、偶然に頼るしかない?

 
マツムシソウ

マツムシソウ  湯ノ丸高原

群馬・長野県境の湯ノ丸高原にて、直径5〜6cmとよく目立つ大きな花。
8月頃、湯ノ丸高原や近くの池の平ではやや薄い色合いながらも、広く群生する姿が見られる。
この花は高山性のものほど花の色が濃く、タカネマツムシソウと呼ばれている。

 
ウスユキソウ

ウスユキソウ  湯ノ丸高原

別項のレブンウスユキソウなど高山性のものより、ちょっと地味なウスユキソウ。
湯ノ丸高原では湿り気味な窪地や沢沿いなどに多く決して珍しくはないが、やや局所的なところもある。

 
ウメバチソウ

コウメバチソウ  美ヶ原高原

梅の花に似てウメバチソウとは思うが、レースのような雄しべ(仮雄しべ)が独特で可愛い。
美ヶ原では初秋の時期、マツムシソウやアキノキリンソウらと競って咲いていた。

 
笹の花(クローズアップ) 笹の花(開花後のモミガラ?)

笹の花  湯ノ丸高原

こちらも珍しい笹の花。
大雪山・沼ノ原で見たネマガリタケとは、あきらかに花の咲き方も株も違ってた。

 
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