妙義山/大沢から相馬岳北稜

仙人窟より星穴岳と荒船山
仙人窟より星穴岳と荒船山

およそ16年ぶり、廃道となって久しい大沢の旧登山道を辿り、その源流から変化に富む相馬岳北稜上部を縦走し相馬沢を下降する。

大沢は上流に、三段、合計高さ40mほどの大滝「仙人の滝」を有する。北稜は一部紛らわしい場所もあるが、岩峰を巻く以外基本的に尾根を大きく外すことはない。「北稜の見晴らし」「はさみ岩」「仙人窟」など見どころ多数。

尚、ルートファインディングの正否により地図上で見た目以上に時間のかかる恐れもあり、出発は早めの方がベター。筆者自身この16年でかなり変わってしまった道筋に正直驚いた。そこでWeb初出となる従来ページはアーカイブとし、新ページとしてこちらでアップデート。

 

グレード(個人評価)  H  1  2  3    5  U  /  判断基準
ルート 大沢出合→仙人の滝→源流→相馬岳北稜→仙人窟→相馬沢→車道戻り
総歩行時間(休憩含まず) 約5〜6時間(帰路の車道歩行1時間弱含む)
登山適期 10月中旬〜5月中旬  但し冬期は積雪量による
地理院地図へのリンク http://maps.gsi.go.jp/#15/36.305269/138.749492
駐車場所 大沢出合の廃林道路肩または坂上の廃畑前駐車スペースへ数台程度。
注  記 大沢、相馬岳北稜、相馬沢とも、何カ所か古いケルンや赤テープなどの目印はあるが、一部を除きあまり盲信しない方がいい。必ずしも正しいルートを案内しているとは限らず、各所でアテにならない踏跡も多くルートファインディングは慎重に。自身の地図読みや本項とすり合わせを願いたい。
特に大沢はいっそうの廃道化が進み、本流を辿れば結果的に仙人の滝に行き着くとしても、その間の旧登山道を正しく辿るのは塾達者に限られるだろう。安易に入らないようご注意願いたい。
20mほどの補助ロープ必須!(詳細下記本項)

 

2014年11月下旬現在
 
大沢出合付近
左) 出合となる大沢橋上より大沢  右岸に平行する廃林道より適当に沢へ入る。

右) すぐにゴーロとなり、多少の流木等あり歩きにくい所もあるかも?
 
F1と旧登山道
左) F1(4〜5m)を左岸より高巻く

右) やがて右手上部に廃道跡が見え始めるのでそちらに移動
以降、仙人の滝手前の大岩のゴーロまで左岸の廃道探しが続く。以前は廃道と言っても辿るのにそれほど困難はなかったが、現在は痕跡すら消えつつあり注意。迷ったら本流へ戻る。またそのまま本流を辿っても良い。
 
仙人の滝
左) 仙人の滝一段目  右岸にやや離れて廃道跡がある。すでに渇水期のこの時期は水量極小。

右) 振り返ると富士稜側の岩峰・岩壁が高い
 
仙人の滝上部
左) 二段目三段目  共に右岸を慎重に登る。三段目右岸のトラバース注意!

右) 落ち口から上流を見る  右に大岩が被さり前方にはナメが見える。
 
大沢源流付近
左) ナメ状続く沢をスリップに注意して遡行

右) タルワキ沢のコルを左に分けると源流の趣が顕著  希にわずかな水流も見えるが、今回に関してはこれ以降の水は期待できなかった。
 
大沢源流
左) スプーンで削ったような大沢源流  右稜線は相馬岳北稜

右) 源流上より大沢を見下ろす
 
相馬岳北稜上部
左) わずか10mほどで相馬岳北稜

右) 北稜の見晴らし  やせ気味の急下降が終わり水平になり始めた頃現れる岩塊上の見晴らし。ルート中360度の展望はここだけ!
 
北稜の見晴らしより裏妙義主稜
北稜の見晴らしより展望二題  その一  裏妙義主稜と手前中木川沿いに国民宿舎、主稜バックは浅間山。
 
北稜の見晴らしより北稜核心部
北稜の見晴らしより展望二題  その二  相馬岳北稜の核心部P12と後ろに御岳東稜  順光で写真では境目が分かりづらい・・・・^^;^^;
 
富士稜分岐とはさみ岩
左) 富士稜分岐
小岩峰を2〜3回かわし尾根に戻ってわずかに下ると到着。ここは左折して下るが写真正面の富士稜に向かわないよう注意!

右) 見上げるはさみ岩  って言うか、これってミトンだよね?!
 
仙人窟とP12
左) 仙人窟が見えてきた

右) 正面にはP12が高い
 
仙人窟
仙人窟
 
岩屋と星穴岳
左) 仙人窟を潜って相馬沢側にある岩屋  以前は国民宿舎方面の展望良好だったが、立木が生長し現在は木の間越し。

右) トップ画像のように星穴岳方面は頂稜と星穴がバッチリ
 
ひさし状の仙人窟下部
左) 仙人窟下は巨大なひさし状  平だったら絶好のビバークポイントだけど、けっこう傾斜がきつい・・・・^^;^^;

右) 下降は岩沿いにわずかに下ると立木に白ペンキで○印  ここで左折し正面の小沢を急下降。
 
チョックストーンの下降
左) やがて現れる一つ目のチョックストーンはフリーで下降可

右) 二つ目はフリーでは厳しい  一応捨て縄有りだがいつまで使えるか? 念のため20mほどのザイル(補助ロープ)がほしい。
 
相馬沢左俣右岸の岩壁
二つ目のチョックストーンからすぐで相馬沢左俣(本流ではない)に合流。付近の右岸は岩屋風や樋状の壮絶な岩峰群と壁。
 
相馬沢右岸の廃道
相馬沢の廃道は常に右岸にあり、時々狭くなったり岩壁に囲まれた際沢におりる。11月下旬でも名残の紅葉がきれいだった。
 
ナメ滝のへつりと相馬沢出合
左) ナメ滝のへつり  ゴルジュ状に狭くなったところでナメ滝上の右岸をへつる。道はあるが滑落注意! 写真は通過後振り返ったところ。

右) 最後に杉植林内の踏み跡しばらくで砂防ダムが現れ、国民宿舎への舗装道と合流。大沢出合までは歩いて小1時間。
 
 
踏破軌跡
踏破軌跡(縮尺は任意)
GPSのものではありません。地図を元に筆者登山後の覚えですので、細部で異なる場合があります。
 
全面更新新ページ  2015年10月 9日
 
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